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創業から50年の飲食店×デザイン会社の相乗効果

株式会社 活魚明石屋 / デザイン事業部:Design Initiative / 営業

インタビュー記事

更新日 : 2022年07月22日

2019年から続く新型コロナウイルス感染症の流行により飲食店が厳しいなか、飲食店と並行してデザイン会社を設立し、お互いの持つ強みを掛け合ってより良い事業へと発展させていく一人の男に話を聞いてみた。

株式会社 活魚明石屋 / デザイン事業部:Design Initiative 事業概要

橘さんの家系はもともと先祖代々漁師。橘さんの祖父は漁師の道には進まず、10代から魚屋で修行を始め経験を積み、兵庫県明石市で魚屋をスタートさせた。
その後、橘さんの父が料理の道に進みたいということで、10代の頃に修行を積んで、魚屋から飲食店へと切り替わる。

創業から50年、飲食はもちろんのこと「仕出し料理」もメインとして行い、オードブルや懐石料理を提供し、配達してご自宅で料理を楽しんでもらう形を続けている。明石でお店をしている歴史と経験があるので、お客様からの信頼も厚い。

橘さん自身は三代目となり、2年前にデザイン会社を設立。
飲食とデザインを分ける必要はなく、同じ事業として行ったほうが相乗効果が高くなると考え、従来のこだわりは尊重しながらも新しいカタチに対応し、改革を進めていきたいとしている。

Q.飲食店としての事業の強みがあれば教えて下さい。

A. 50年間、明石でお店を経営している歴史と経験があるため、お客様からの信頼も厚いです。そこが強みだと考えています。
今後は、テイクアウト、デリバリーはもちろん、ネットショップなどにも力をいれて、より多くの方に料理を届けていきたいと思っています。

Q.コロナ禍で飲食業界はかなり大変だったかと思うのですが、どのように切り抜けられていたのでしょうか?

A.もともと仕出し料理をやっているお店という認知があるので、たくさんの方にテイクアウトでお弁当を購入していただきました。
アルコールの提供もできず大変でしたが、営業時間が短くなる分、ほかに注力できることを探しながら、乗り越えてきました。

Q.テイクアウトやデリバリーに関して、集客はどのように行われたのでしょう?

A.ネットの力が強かったと感じています。LINE公式アカウントやSNS、Instagramの発信なども行っており、そこから来ていただくお客様もいました。

Q.デリバリーではどのようなお料理を作っているのでしょうか?

A.お弁当や上物(季節によってはうな重など)を提供していました。

Q.会社全体としての事業の強みはありますか?

A.飲食とデザインの両方を事業として行っている点です。
お客様の接待で飲食店を使っていただいたり、飲食業の方からデザインのご依頼があったりします。もともと飲食業としての知識もあるので幅広いサポートも行えます。両軸が相乗効果となって、飲食とデザインの両面からお仕事をお任せいただけるのは他の会社にはない魅力であると感じています。

Q.デザイン会社についてもお聞きできればと思うのですが、メインではどのような事業を行われているのでしょうか?

A.メインはホームページやチラシの制作です。最近はネットショップやランディングページのご依頼などもいただいています。デザイン事業と付随して、SNS運営やその他のITツールのご提案をさせていただくこともあります。

Q.創業の経緯は?

A.僕はもともと営業マンとして、不動産関連で富裕層向けの営業を行っていました。そこで培った営業力とパソコン好きというのが掛け合わさったときに、世の中からなくなることのないもの、ニーズとして勝てるところは何かと考えてデザインの仕事が思い浮かびました。創業してまだ2年ほどです。

Q.どうしてデザインが思い浮かんだのでしょうか?

A.世の中から絵がなくならないのと同じで、人間の目から見て美しいと思うものを提供する価値は変わらないだろうと思いました。
ホームページが変わる、SNSが変わる、など媒体が変化しても、デザインという分野はなくならないのではないかという観点から、デザインを事業として行いたいと考えました。
自分が売りたいものを、営業の目線から見て選んだといえば、わかりやすいかもしれません。

Q.デザインに飲食をかけ合わせたのはどうしてなのでしょうか?

A.もともと、僕が飲食業の3代目を継ぐことは自分の中で決めていました。
それを考えたときに、飲食とデザインを分けてやらなくても、同じ会社として行うことで相乗効果が高くなると考えました。今後も分業することはないです。

Q.広告もできて、ランディングページやホームページも制作して飲食業も営んでいたら、顧客様の気持ちもよくわかるのではないですか?

A.そこの強みも活かして、基本的に今はデザインの部分でお手伝いさせていただくことが多いです。ただ、今後の展望としては、もっと企業様の広報周りのお手伝いなども弊社で承れるようになればと思います。

Q.企業様の広報周りのお手伝いとは?

 

A.これまでホームページのデザイン変更等は依頼後でも無料で対応させていただいておりました。しかし、お客様の依頼を待っているだけの受動的な付き合いになってしまうのが心残りでした。広報面のサポートなどもできれば、こちらからも「もっとこういう風にやってみましょう」という能動的なアドバイスも可能になりますし、いま携わっている企業様に提供できれば、価値が生まれるのではないかと考えています。

Q.広報なども担当してもらえると、企業様からしても需要はありますよね。
ちなみに、地域性としては、ご依頼者様は地元の方が多いのですか?

A.お客様は明石の方が多いです。今は近畿圏に営業を絞っているのですが、いずれは東京にも進出していきたいと考えています。

Q.橘さんの中で、これまで事業を通して思い出に残っているエピソードなどありますか?

A.コロナが流行し始めてすぐの頃、ホームページの制作をご契約いただいた飲食業の方がいらしたのですが、ホームページ作成以外にもSNSの運用も付随して行わせていただきました。その後みるみる売上が上がり、結果、ご依頼前の売上からみると360%以上も売上が向上して、「別の事業も始めることにした」というご連絡をいただきました。そして、新しい事業でもホームページ制作を手伝ってほしいというご依頼をいただきました。
特に飲食店はコロナ禍で売上に相当ダメージを受けていましたから、とても嬉しかったことを覚えています。

Q.橘さんの中で、SNSをやると売上が上がるぞ、みたいな確信はありますか?

A.例えば、A社とB社が同じ焼肉屋さんだったとしても、同じようなお肉の写真ばかりをあげるのではなく、それぞれの強みを出す必要があると考えます。
「美味しいお店」だけだと差別化できなくても、お店からの眺める景色がいいとか、盛り付けにこだわっているとか、その料理の味以外で勝負できる点をピックアップすれば、まだまだSNSでの勝ち筋はあると思います。
個人的には、料理が美味しい飲食店はたくさんあるので、店員さんの個性とか、料理以外のところをピックアップして、価値を提供するのがベストだと感じています。

Q.それはもうマーケティングの領域ですね。その他、事業の強みもあれば教えてください。

A.普通のホームページ制作は、基本的に広告代理店が下請けに外注することが多いと思います。僕たちは、基本的に制作〜サポートまで全てを自社で一貫して行うので、値段の面や制作後のサポート面で、ご満足いただけることが多いです。
予算のご相談等にも、気軽に対応できるので、事業を始めたばかりの方でもご依頼いただきやすいのではないかと思います。