心と体を満たすやさしいパン屋さん

こびとぱん

 

心と体を満たすやさしいパン屋さん

 

国道2号線にあるバス停「浜西」と「清水(明石市)」の間。どちらからも徒歩4分で、国道からお店は少し見えにくく、案内看板を見逃さないように気を付けると発見することができる、可愛らしい佇まいの一軒のパン屋さん。地元ではとても有名で、売れ筋パンは開店直後に売り切れてしまうほどの人気ぶり。

今回は、明石市魚住町にある、知る人ぞ知る隠れ家的なパン屋さん【こびとぱん】をご紹介します。

 

 

【こびとぱん】の姉妹愛

 

 【こびとぱん】のオープンは2018年。店長でありブーランジェでもある池田さんと、3人の姉で力を合わせて作り上げたのが【こびとぱん】です。

元々お菓子や紅茶が好きで、小さい時は喫茶店を開きたいなと思っていた池田さん。学校卒業後は金融機関に就職し、趣味でお菓子や紅茶の教室に通ったりしながらも、パン屋さんとは無縁の生活を送っていました。しかし、30歳を迎えた頃、

 

「このまま定年まで会社に勤めるより、自分のしたいことをしようと思うようになりました。そして、思い切って仕事を辞め製菓学校に通い始めたんです。当時、パン屋さんをするつもりは全然無かったんですが。たまたまパンを習いに行く機会があり、実際教えてもらって、パンに興味が出てきました。」

 

パンであれば食事としても、お菓子としても食べてもらうことができる。パンにたくさんの可能性を感じた池田さんは、これなら仕事として私にできるかもしれないと思ったそうです。そして、四姉妹の末っ子であった池田さんは迷わず姉たちに相談。昔からとても仲の良かったという姉たちは、池田さんの想いを尊重し背中を押してくれました。こうして、四姉妹で力を合わせ【こびとぱん】がオープンしました。

一番下の四女である池田さんが店長兼ブーランジェ。次女と三女は、交代でレジや製造の補助に当たります。

長女は、嫁ぎ先の岐阜県からホームページ・ブログ・ツイッター・インスタグラム・FBの更新、スタンプカードや新聞チラシデザイン&印刷発注作業等、PC作業全般を担当してくれているそうで、たまに四姉妹の子供達がアルバイトをしてくれることも。

このように【こびとぱん】は“四姉妹愛”で営まれる、とても素敵なパン屋さんです。

 

実家の空き家をリノベーション

 

店舗は祖父が長年暮らし、その後空き家となっていた建物をリノベーションしたもの。開業資金が限られるなか、実家の敷地にあった建物を有効活用することでコストも抑えることができたといいます。そして、六角形が特徴的なイートインスペースも作り、こじんまりとした可愛らしい【こびとぱん】が出来上がりました。

店名の由来は姪っ子が大好きな「こびとずかん」の“こびと”から取ったもの。こじんまりと小さなお店にぴったりの可愛らしい店名です。

店舗の特徴は出来る限り再利用品や手作り品の数々。店名のスプーン型の看板は、祖父が持っていたしゃもじを再利用。その他にも、手作りの看板は昔のたばこ屋時代の看板を利用。その他にも、バイクラックや小人のデザインも手作りで作成したそうです。

店舗内の入口のサイドと土間は祖父が使っていた当時のままで、レジ台は祖父が使っていた箪笥をカットして再利用するなど、外観内装問わず、オシャレに仕上がってとても良い雰囲気が出ています。

 

 

 

 

 

 

心を込めて作られた手作りパンの数々

 

池田さんの手作りパンは北海道産小麦100%、体に優しい上質な材料を使ったパンなので、ふっくらとした美味しいパンに仕上がっています。そして、できるだけ焼きたてのおいしさをお届けしたいという想いから、お客様が来られた時にちょうど焼き立てパンが焼けていたら、直接お声をかけるようにしているそうです。

店長おすすめのパンはクロワッサンショコラ。池田さん自身がとても気に入っているパンだそうです。その他にも、クロワッサンアマンド、メロンパン、スコーンも、焼き菓子が好きな店長のお気に入り。あえて長めに焼いてカリカリにし、焼き菓子っぽくしているみたいですよ。

 

「定番商品ではないけれど、スコーンも自信作なんです。色んなお店のスコーンを食べて研究したり、イギリスに行った時に、本場のご家庭で教えてもらったりしました。その中で自分好みに色々アレンジをして作っているので是非食べて頂きたいです。スコーンが店頭に並んでいるときは是非チェックしてみてください。」

 

パンについて、ゆったりと丁寧に説明してくれた池田さんの笑顔がとても印象的でした。

また、【こびとぱん】に行く際に気を付けておきたいのは“品切れ”。パン作りは全て一人で作業しているのでどうしても数には限界が。ご希望のパンがある場合は、電話での取置予約をおすすめします。

 

 

 

 

 

地元に根付くお店として

 

【こびとぱん】の食パンに入っているこびとの焼き印は可愛らしく特徴的。実はこの焼き印は、地元の学生が作成してくれたものだそうです。全国的にも有名な国立の明石工業高等専門学校。【こびとぱん】のファンであった明石高専の生徒が授業の一貫で地域のお店の手伝いをするという活動で焼き印と黒板を作ってくれたそうです。その後も、食パンのスライスサイズ模型や、期間限定パンの紹介チラシなどを作成してくれたそう。

 また、車椅子の方が来店された際、お店に入ってもらうのが大変だったことがあったため、スロープを作成。資金的に厳しかったそうですが、せっかく来て下さるお客様の為にも必ず作りたいという想いがありました。

 

「ただ、金銭的なこともありスロープの作成はすぐには出来ないと思っていました。でも、市の広報で助成金があることを知り、予算を抑えてスロープを作ることができました。」

 

その他にも【こびとぱん】は、地元に根付くパン屋として中学生のトライやるウィーク活動の生徒受入れなどの活動も積極的に行っていました。

 

 

今後について

 

まず、池田さんは、いつも自分の背中を押してくれる姉たちについて、

 

「子どもの頃はよくケンカをしていましたが、こびとぱんの開業準備から現在に至るまで、たくさんの困難を助けてもらってきました。姉たちがいなければ今日まで続けてこれなかったです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」

 

このように話してくれました。そして最後に、【こびとぱん】の今後について話してくれました。

 

「今のこびとぱんがあるのはお客様、家族や友人、関わってくれた業者さん。そして行政機関や、地域の方々の助けがあったからです。そのご恩を少しでも社会貢献として返していきたいと思っています。今は微力ながらウクライナ人道支援支援を行っています。(※メロンパン各種1個につき20円を平和への祈りを込めてウクライナへ寄付されているそうです)【こびとぱん】は、これからも四姉妹で仲良く、楽しく、続けていければいいなと思っています。」

 

取材を通してわかった事は、【こびとぱん】では、とても高価な材料を使ったり、特別な製法でパンが作られている訳ではないということ。【こびとぱん】が人気の秘密は、池田さんの思いやり溢れる手で作られるパンに、姉たちの妹を想うやさしさがギュッと詰まっているから。【こびとぱん】を訪れる人たちは、知らず知らずのうちにこの“やさしいパン”の虜になっていくのではないでしょうか。心と体を満たすやさしいパンを是非ご賞味ください。

住所 兵庫県明石市魚住町清水457
電話番号 078-779-7488
営業時間 火・水・金・土 11:00~19:00(完売次第終了)
定休日 日・月・木・お盆・年末年始
駐車場 2台 ※駐車場案内係がおりません。狭い駐車場です。敷地に入ってから方向転換をして頂き、バックでの駐車をお願い致します。
クレジットカード 不可
座席数 ※イートインスペース有り(6席)
貸切可否 不可
予算目安 ~¥999
お子様対応