「子午線のまち」を代表する時と宇宙の博物館

明石市立天文科学博物館

 

時と宇宙の博物館

 

明石市立天文科学館は、1960年6月10日、時の記念日に開館されました。東経135度日本標準時子午線の真上に建つ「時と宇宙の博物館」で、プラネタリウムや展示を通じて、時や宇宙について学ぶことができる施設です。建物が東経135度、子午線沿いに建築してあり、建物に子午線標識が置かれているのも特徴的。国の重要文化財にも指定されています。展望室からは明石海峡大橋の眺望も抜群。こどもから大人まで楽しく学ぶことができる様々な企画事業を行っており、何度訪れても新しい発見のある天文科学館です。

地上16階の高塔と4階展示棟で構成されており、各階は以下の通りです。

 

1階:エントランスロビー、受付、ミュージアム・ショップ、事務室

2階:プラネタリウム、天文ホール、情報処理室

3階:展示室、天文サロン

4階:日時計広場、キッズルーム

13・14階:展望室

16階:天体観測室

 

ポイント①(子午線について)

 

一番特徴的なことは、子午線上に建っているという点。明石市が「時のまち明石」になった理由である、東経135度の子午線が通っているという標識を、当時の小学校長会の方々が作成。これは明石の名前が全国に知られるきっかけになったものでした。子午線とは何か、子午線標識が建てられた理由、明石にある子午線標識について、子午線に関して明石の人々が大事にしてきた歴史等について、詳しく学べるようになっています。

子午線は日本の標準時刻になっているところ。東経135度子午線、イギリスが0度になっている線であり、そこから135度の線。一日の長さ、天文の動きと、地球一周の時間、というように、【時間と天文の結びつき】を感じ、学んでほしいです。

 

 

ポイント②(プラネタリウムについて)

 

明石市立天文科学館の一番の特徴はプラネタリウム。明石市立天文科学館は、年間約12万人もの方が訪れる人気の施設で、一番のお目当てはこのプラネタリウム。1960年に動き始めたものを現在も使用し、現役で動いているプラネタリウムの中では日本で一番古い物を使用しているところが魅力的な【長寿日本一のプラネタリウム】。東ドイツのカールツァイス・イエナ社製の投影機が入っており、最近見られるデジタル機器を使用したプラネタリウムではなく、クラシックな仕様でこの投影機を見るだけでも価値ありです。60年以上前の物ではあるが、とてもきれいに星空を再現してくれます。通常は50分間、定員は300名となっています。※現在は45分間、250名。

明石の子どもたちは、幼少期と学童期に2回程度は、園・学校単位で来館しプラネタリウムを観覧するそうで、大人の方向けのテーマイベントも。毎回違った内容にすることで、何度来ても楽しんでいただけるような内容となっています。お子様向けのキッズプラネタリウムや、高齢者の方向けのプラネタリウム等、年代にあったプラネタリウムを見ることができる点も魅力的。映像に合わせて音声を流すのではなく、解説員が生解説を行うようにしているため、解説者によっての違いも楽しめます。

中でもオススメは、ベビープラネタリウム。プラネタリウム投影中に泣いてしまうのは当たり前!元気に泣いてもOK!お互いさまです!と万全の赤ちゃん対策。お子様を連れて是非プラネタリウムをご覧ください。

 

 

 

 

ポイント③(展示室と展望室)

 

展示室は子午線エリア、時計・暦エリア、宇宙・宇宙開発のエリア、特別展示室の4つのエリアに分かれており、展示室全体の半分は宇宙について学べるエリアになっています。大型のグラフィックや、宇宙の拡がりを見て頂ける映像、隕石に触れて頂ける展示もあり、宇宙について楽しく体験しながら学べるようになっています。また、時計のコーナーでは、様々な形の時計があり日時計についても学べる展示も。通常の天文科学館であれば、宇宙のことのみを取り扱っている場合が多いが、当施設は「時」もセットになっているため、時と宇宙の関係性を学ぶことができます。宇宙をより身近に感じてもらうキッカケにもなる素晴らしい展示室となっています。

13、14階の展望室は、日本標準時子午線の標識になっている高塔を上がります。360度の大パノラマで、すばらしい眺望が楽しめるこの場所。明石海峡大橋を眼前に見ることができたり、明石海峡を航行する船や淡路島、播磨灘とそこに浮かぶ島々、明石の町並み、六甲山系の山々、西神ニュータウンの高いビル群を見ることができます。時や宇宙について学びながら、観光気分を楽しめるのも当施設の魅力ではないでしょうか。

 

 

 

 

ポイント④(イベントについて)

 

年間を通してイベントも多彩。お子様に大人気なのは「時と宇宙を守るヒーロー、軌道星隊シゴセンジャー」。キッズプラネタリウムに登場して、悪役・ブラック星博士と戦いながら、みんなに時や子午線、星空や宇宙のことを伝えます。また、年に2回ほど、天文科学館の13階・14階から見える、鉄塔に夕日が重なってパンダに見えるという現象「夕焼けパンダ」。抽選で当選すると科学館から観覧することもできるなど、楽しいイベントが満載。天文科学館へ行く際は、現在行われているイベント情報を、是非ホームページでチェックしてみてください。

 

 

施設への想い

 

広報・学芸員の方に天文科学館への想いをお伺いしました。

「特に小さいお子様だと、文章を読んで科学を理解することは難しいため、プラネタリウムを見て星がきれいだったな、科学館にある絵本を読んだな、といったように、その体験自体を覚えていてもらい、当館が気付きのキッカケになってくれるとうれしいです。プラネタリウムの投影後、「面白かったです。」と言いに来てくださる方や、「楽しかった」と言いながら帰っているお子様を見ると、とてもうれしく達成感もあるので、今後もわかりやすい解説を目標に頑張っていきたいです。」

 

「博物館等は生涯学習施設と呼ばれていて、人生のどのタイミングで来館しても学べる施設であるべきだと思っており、当館もそれを目指しています。先日、散歩中に見た星についてお尋ねのお電話を頂きました。このようなお問い合わせはとても嬉しく、もっと当館を身近に感じていただけているようにしていきたいと思っております。空に興味がある方であれば、どの年代の方でも科学館に来ることでもっと楽しく日常的に空を見ることができるようになりますし、ご興味が無い方も観光をキッカケに、少しでも「時のまち明石」について知っていただければと思っております。」

 

最後に、明石に戻ってこられた方は、懐かしい気持ちを持って来ていただいて、新たな発見、学びをしてほしい。新しく明石へお越しいただく方は「明石」と「時」の結び付きについて学んでもらえる施設として、明石を好きになって、愛着を持って頂けたら良いかなと思いますと話してくれました。

 

今回は明石市立天文科学館をご紹介しました。「時のまち明石」に相応しい、歴史ある学びの施設・観光スポット

明石市立天文科学館へ、是非足を運んでみてください。

 

 

住所 〒673-0877 明石市人丸町2-6
営業時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日 月曜日・第二火曜日(祝日の場合は翌日) 年末年始
料金 大人700円、高校生以下無料
駐車場 有 90台 2時間まで200円、以降1時間ごとに100円
電話番号 078-919-5000
HP http://www.am12.jp/