明石で知らない人はいないイタリアン

　明石駅から南へ徒歩5分。本場のナポリさながらに漁船が多く並んでいる明石漁港の目前に現れる青色が目印のお店。TRATTORIA PIZZERIA【CIRO（チーロ）】は、明石でイタリアンと言えば、知らない人はいないほどの人気店。本場ナポリで修業を積んだピッツァ職人が薪窯で焼き上げるピッツァは、一度食べたら忘れられません。今回は予約必須の明石を代表するイタリアンレストランをご紹介します。オーナーの小谷 聡一郎さん、そして日本屈指のピッツァ職人である奥様の小谷 紀三子さんにお話をお伺いしました。

イタリアンを極めた夫婦

　【CIRO】のオープンは2004年。明石大橋が一望できる、より海に近いマンション２Ｆのお店からスタートし2006年に移転。18年ものあいだ地元明石で愛され続けてきたイタリアンの名店です。【CIRO】はなかなか予約が取れないと昔から有名で、その確かな味で地元の人はもちろん、県外から訪れる人たちも虜に。どのように【CIRO】はスタートしたのでしょうか。

　オーナーの聡一郎さんは加西市出身で、一時は上京し飲食関係の会社に勤めていました。紀三子さんは赤穂市出身で有名店「Sakuragumi」に在籍。本場ナポリでも修行経験があるピッツァ職人でした。長男であった聡一郎さんは、家庭の事情もあり兵庫へUターン。そして二人は「Sakuragumi」で出会う事になります。お互いを尊重し合いながら料理の道を共に進み、また夫婦として同じ道を。結婚を機に独立して二人でお店を開くことを決意しました。

ここはナポリ？

　移転時は建物の躯体が独特だったため、いかにイタリアらしさを出すかを模索。色々と思考錯誤をし、設計に関しては東京でイタリアンの仕事をしている方を呼び依頼したそうです。都会では表現できないような、明石だからできる雰囲気を出すべく、場所は人が多い駅前ではなく、あえて郊外を選び、内装に力を入れたそうです。一番大きな特徴はやはりピッツァを焼き上げる薪窯。イタリアから直接輸入したそうで本場の味を再現する為に妥協できないポイントであったと教えてくれました。

絶品ピッツァと食材が活きた料理

　オススメは言わずもがな日本屈指の職人が焼き上げる本格ピッツァ。過去に「真のナポリピッツァ協会認定試験」をクリアした紀三子さんのピッツァは普段頂くものとは一線を画します。また、ピッツァだけでなく地元明石で獲れた魚介類をたくさん取り扱っているのも魅力の一つ。明石のタコやタチウオ、エビなど、明石で水揚げされた新鮮な食材をメインに、パスタやアラカルトなど本格的なナポリ料理が楽しめます。【CIRO】はその日の魚介の仕入れによって、店員さんと相談しながら調理法やメニューをお客さん自身が決めることができるのも面白いところ。これは周囲のお店が仕入れないような、大きさや形も違う魚をざっと市場で仕入れ、人数によって使用する食材を選ぶようにしているナポリでの仕入れ方法と似ている。魚のまち明石ならではの魅力が【CIRO】には詰まっています。

今後について

　オーナーは今後について大事にしたいのは、足しげく通ってくれている目の前にいるお客様。来店して頂いたお客様に満足して頂けることが一番であることを忘れないようにすることが大事ですと教えてくれました。そして可能であれば、明石のローカル地域の中だけではなく、外に明石の魅力をどんどん発信していきたいので全国紙の取材等は積極的に受けるようにしているといいます。近年、都市部より地方が活性化している部分もあるので、その流れにも乗り、お店の情報を外部に発信することで、明石にもっと人を呼び込みたいという思いも熱く語ってくれました

「まずは自分たちの商売をきちんと行っていくことで、人の輪が広がり、その規模も少しずつ広がっていく。私はその土壌が明石にはあると思っています。全国的にも明石は名前が知られているし、タイ、タコ等、有名な場所という知名度があるので、それを生かさない手はない。東京には様々な地域の良い食材が多く集まっているが、その中でも明石の食材はもっと特別に認められているんです。明石はほんとうに魅了的ですよ。」

　明石を愛するイタリアンを極めた二人の挑戦はこれからも続きます。明石へ来られた際は、是非【CIRO】へ！